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 ハートロッカー


ネタバレありの感想です。

アバターを抑えてアカデミー賞6部門を受賞した、イラクでのアメリカ軍爆発処理班を描いた映画です。
あらすじを検索すると戦争アクションとか爆弾を仕掛ける者たちとの戦い、サスペンスといった書かれ方が多いのですが、通常そこから想像するイメージとはまったく異なる作品です。

冒頭に「戦争は麻薬である」という言葉が出てきて、物語が始まります。
が、最初にストーリーより先にまず感じるのはカメラの大きな揺れです。いかにもドキュメンタリー風に描かれていて、あたかもその場で報道カメラマンがビデオカメラを回しているかのように不安定に画面が大きく揺れ、カメラの動線がブツブツと切れるような場面の転換の仕方、少しざらついた感じの画面にとても目が疲れます(笑)
我慢しながら見ていると、物語に一貫したストーリーは無く、爆弾処理班の任地での任務遂行期間のうち、出動した日ごとに、その日がどんな日であったかが描かれているのが分かります。

全体の大きなストーリーはないものの、描かれる日々の中で変わり者のジェームズ軍曹と彼をサポートするサンボーン軍曹、エルドリッジ技術兵の関わりなどの人間関係も描かれます。
一度出動したら、戦死か生き残って帰還するかの2つの道しかなく、その結果を自分では選ぶことのできない恐怖の中で、自分勝手な危険な行動を取るジェームズ。
初めは生還して任地から帰るために彼を殺すという考えがふと頭をよぎるサンボーン。日が経つにつれ2人の仲はかなり近づくように見えますが、やはりどこか浮いているジェームズ。
エルドリッジは人を撃つことができなかったためにジェームズの前任のトンプソン軍曹が命を失い、エルドリッジ自身も己の死の恐怖に精神的にかなり参っていきます。

3分の一を過ぎた頃からでしょうか、カメラのぶれは小さくなっていき、画面の荒れもいつの間にかなくなり、普通のカメラワークに変わっていき、その頃には「ああ、この映画は彼らが出動した日区切りで、どんな出来事があったのかを群像劇で描いているのだな」といった印象を受けます。

その感覚に慣れきって見ていると、ラスト近くで誰がこの物語の主人公であったのかが分かり、そこから点と点がつながり、「何を描いていたのか」が明確になり、そして観ているうちにとっくに忘れていた冒頭での言葉が突然意味を成してくる、ちょっと戦争映画っぽくないひねりの利いた演出になっています。

そのラスト近くで描かれるジェームズの妻とのスーパーでの買い物、家(落ち葉で詰まった雨どい)の手入れ、妻と一緒に料理を作る、小さな一軒家での平凡で穏やかなごくふつうの生活。部屋にはまだ幼い自分の息子がいる‥、しかし、ジェームズはおそらく此処では自分が生きていると感じられないのだと思います。

彼は息子に話しかけます。「パパくらいの年になると、好きなものはせいぜい1つか2つだ。パパの場合は‥‥、1つだ。」と。
そして彼は自分が生きていることを感じられる場所に戻ります。
彼はもう戦争のない普通の日常生活には戻ることができないのです。いつか戦地で死を遂げるその日まで、彼は任務があけてもまた志願して爆弾処理班に戻り続けるのでしょう。
見終わった後でそんなことを考えて、複雑な気分になる映画です。

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テーマ : 日記
ジャンル : ペット

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非公開コメント

事前に情報を仕入れ過ぎて。

あんまり映画にのめり込めませんでした。

ただ個人的には、特殊な状況下での任務で、たった今も自分の才能が必要とされているのに、何もせず平和に暮らす事は、良心の呵責がある様にも思えました。

これはアメリカ側の、言い分なのでしょうか?

ヨッちゃん、前半のドキュメンタリー風の映像と、全体的に淡々とした描き方をしているので、私ものめり込んでは見れませんでした。見た後も「あらそうだったのね~、ふ~ん」みたいな(笑)
「ただ個人的には~」なるほど、そういう見方もあるのですね。私はそこまで深く考えられませんでした。
アメリカ側の言い分という匂いはぷんぷん感じました。
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Jun

Author:Jun

ボンさん作リサとくまこ

このイラストは、ボンさん
描いてくださいました


 Jun : リサの飼い主
 東京の片隅でひっそりと
 一人と一匹の暮らし…の
 つもりが、リサの明るさ
 につられて低いテンション
 も家では上がりがち。
 ささやかながらも楽しい
 暮らしに。

 リサ : 2008年4月13日
 生まれロングコートの
 ブラックタン

コノハカメレオンたちと暮らした日々の大切な思い出を保存してあります。

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